MotoGPセパン:ドヴィチオーゾ、苦節七年を経て報われる

 BSNより。セパンで完勝したドヴィのインタビューです。



 「今シーズンにおいて未だにレースを制していないことの要因は?」土曜日のこと、ドゥカティのアンドレア・ドヴィチオーゾは再びこの質問を投げかけられた。このイタリア人はポールシッターで、この特別なマレーシアのトラックにおけるポジティブな流れをただ楽しむことを望んでいた。自己を正当化せざるを得なかった彼はこう述べた。「MotoGPで勝つことは容易ではありません。わたしたちにはまだ何か足りないものがあります。わたし自身に関しても、バイクに関しても。わたしたちは毎レースにように表彰台を争えてはいません。今シーズンにおいては、勝利に手が届きそうな状況が二度訪れました。」

 メディアやMotoGPパドックのみならず、ドゥカティ内部からのプレッシャーも耐え難いものになっていた。チーム・メイトのアンドレア・イアンノーネがオーストリアにて彼を打ち負かし、ジジ・ダッリーニャ指揮下における初優勝をドゥカティにもたらしたことも、その要因の一つであった。イアンノーネは昨シーズンにこのチームに加入したばかりであったが、一方のドヴィチオーゾは、4年前にこのイタリア企業に加入して以降苦難の日々を経験してきた。9人目のMotoGPウィナーになれますか?この質問はミザノ以降何度も繰り返されてきた。

 ついにそのときが訪れた。ドヴィチオーゾは雨に濡れたセパン・インターナショナル・サーキットにおいて見事なレースを演じ、マレーシア・グランプリを制したのだ。完璧な週末であった。

 ポールからスタートし、ドヴィチオーゾは一周目の終わりの時点でロッシとイアンノーネの後方、3位につけた。12周目において彼はイアンノーネを交わし、ロッシを追走した。15周目にロッシを交わした彼は、イタリア人同士の一騎打ちに勝利した。その後、彼はこのヤマハのライダーを引き離し、3秒を超えるマージンをもってチェッカーを受けた。3位のホルヘ・ロレンソに至っては、ほぼ12秒もの差をつけられた。

 このイタリア人は2009年にドニントンを制して以来勝利に見放されてきた。彼はパッドックの誰からも愛され、尊敬されるライダーである。ドヴィチオーゾは来年のチーム・メイトであるホルヘ・ロレンソをはじめとするすべてのライダーに祝福された。「彼は懸命に働いてきましたから、今回の勝利はそれにふさわしい結果です。多くのドゥカティ勢が上位を占めるというのも期待が持てます。」彼はこのように述べた。

 今回の勝利により、ドヴィチオーゾはポイントを162に伸ばし、ワールド・スタンディングスの5位に進出した。

 まずはおめでとうございます。ついに呪縛から解放されました・・・。
 「最後に勝ったのは2009のことでした。ですから、ここに至る何年もの間にわたしが経験してきた困難の数々については、皆さんも想像がつくことと存じます。確かに、良い結果を収めることもありました。しかし、わたしたちは勝つためにここにいるのです。それが叶わないとなれば、苛立ちが募るものです。それは悪夢と化しました。とりわけ、MotoGPパドックと世界を転戦するという状況において。人々は次なる勝者としてわたしを挙げましたが、そのために毎レースがある種の敗北でした。」

 「メディアが猛プッシュするので、勝つことが義務付けられているかのように思われ、それがプレッシャーの高まりに拍車をかけました。当然、わたしも自らにプレッシャーをかけていますが、別の観点もあります。もちろん、この結果を心から喜んでいますが、一度だけいい結果を出すことが目的ではありません。安定してトップを狙えるようになりたいのです。世界タイトルに挑み、それを掴むために。わたしのターゲットはチャンピオンシップです。とりわけ、ファクトリー・ライダーとしてはそうありたいものでしょう。」

 ポール・ポジションにファステスト・ラップ、そして優勝。完璧な週末と言って差し支えないでしょう。
 「傍から見ればわたしがレースを掌握していたかのように映ったでしょう。しかし、実際は困難でした。レースの序盤、トラックが完全に濡れているときにはプッシュすることができました。ヴァレンティーノに対し、あれだけの差を築けるとは予期していませんでした。彼は不屈の精神の持ち主ですから。それからピット・ボードを確認したところ、1.7秒のマージンがあることが解かりました。それで、ペースを管理することができました。ドゥカティはわたしに素晴らしいバイクを与えてくれました。リヤのトラクションがとても良く、レース全体を通じて同じスピードを維持することができました。このトラックで勝利したことをとてもうれしく思っています。マレーシアはわたしにとって特別なトラックですから。ここでは毎回好調でしたが、これまでにここを制したことはありませんでした。」

 このような結果を予見していましたか?
 「レースがスタートした際には、なんだって起こり得ると思っていました。天候のことについてはあまり考えたくありませんでした。わたしたちがどうこうできることではありませんから。可能性はあると思っていましたから、わたしなりにレースにいどみました。すべてのオーバーテイキングを楽しみ、全ての競争相手を下しました。わたしにとってはこれまでになかった感覚です。」

 ラスト・ラップはいかがでしたか?
 「ラスト・コーナーでわたしのガールフレンドと友人たちがすっかり凍りついて、涙しているのを見ました。感激して、泣いてしまいました。ラスト・ラップは泣き通しでした。何も見えませんでした。これまでにレースのために捧げてきたものや、ドゥカティで経験してきた困難の数々に思いを馳せました。個人的な充足感です。」

 オーストリア以降、かなり抑圧されていたこととお察しします。今回の勝利が苦戦を強いられたシーズンの埋め合わせになるのでしょうか?
 「カタールでの蹴りだしは上々でした。しかしその後、4戦中3戦においてリタイヤを強いられました。これらはわたしのミスによるものではありませんでした。残念なことでした。表彰台が濃厚な状況でしたから、多くのポイントを失いました。ワールド・スタンディングスの上位でシーズンをスタートすることになれば、また違った展開になっていたことでしょう。志気が上がりますし、ライダーは異なったこころもちでレースに臨むことになります。また、優勝のチャンスを二度逃しました。とはいえ、最も憤りを感じたのはオーストリアでした。最悪の瞬間でした。あのときは絶好調で、勝利を手中に収めたと感じていました。走りは完璧でしたが、タイヤ選択を誤りその付けを払うことになりました。」

 キャリアにおける最高の瞬間なのでは?
 「はい。恐らくはキャリアにおいても人生においても。今30歳ですが、自らの性格、着実なアプローチには自負があります。ときには望む結果が得られない場合もあり、ライダーは挫折を味わうものです。しかし、お伝えしなければならないのは、わたしに関してはドゥカティからのサポートを感じているということです。この勝利は最高のタイミングで巡ってきました。なぜなら、わたしはこの先二年以上ドゥカティのライダーなのですから。この結果を手に新たなシーズンに臨めるというのは素晴らしいことです。」

 今シーズンの勝利は重要でしたか?さらにはロレンソに対にて何かを示すことができたという意味でも。
 「ある程度は。選手権の順位を上げることはできても、勝つことはありませんでしたから。勝利を掴むのに最高のタイミングでした。ドゥカティにおいてホルヘがどうなるのか?それについては二週間後を待たねばなりません。」

 娘のサラさんも喜んでおられるでしょう・・・?
 「娘に会うのを楽しみにしています。彼女と接するのが一番の楽しみで、自慢の娘です。今回は優勝トロフィを手土産にすることができます。家にトロフィを持ってこないことについて、いつも怒られてきました。」

 バレンシアにて10人目の勝者が誕生することは期待できるでしょうか?
 「否定はできません。予想はできませんが、アレイシ・エスパルガロになるかもしれません。彼に関しては何でもアリですから・・・。」




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