MotoGP Q&A – エクトル・バルベラ

 Crash.netより。バルベラのインタビューです。至って堅実な発言がちょっと意外でした。


 「カルのホンダとTech 3ヤマハの二台のみがひとつ前ファクトリー・バイクで、わたしたちのものは、二、三世代前です。わたしがどのくらい奮闘しているのかを示すことができたらと思っています。」 - エクトル・バルベラ

Crash.net:
 おそらくあなたはGPでも屈指の経験豊富なライダーの一人ではないでしょうか。そして、常にプッシュしていらっしゃる。そのモチベーションの源は?

Hector Barbera:
 わたしのモチベーションはずっと持ち続けている自身の夢を叶えることです。その夢とは、MotoGPクラスにおいてトップ5入りを果たすことです。125250時代にはそれを成し遂げました。そしてここに来て、わたしは手応えを掴んでいます。

 リザルトに関してもそうですし、来年度の計画という観点から見ても、ついにこの夢が現実味を帯びてきたといえるでしょう。

Crash.net:
 250時代の戦績を受けて、チャンピオンを夢見ることはなかったのですか?

Hector Barbera:
 ありません。そのような夢は。現実を見なければなりませんし、一歩ずつ歩みを進めるべきです。そして、短期的な目標を一つ設定する。そうやってモチベーションを維持するのです。

 23年前には15位から20位の間で完走するのがふつうでした。昨年はそこから一歩前進し、今年は7位から10位の間で争っています。ですから、次のステップとしてトップ5入りというのを掲げられるようになったのです。そしてそれを目指して戦えるとも感じています。

 仮に安定してその順位で完走できるようになれば、将来的にはファクトリー・ライドのチャンスを手にすることになるかもしれません。そこまで来たら、チャンピオンシップを制することを夢見るようになるでしょう。わたしがもう何年も世界選手権にいることを忘れてはなりません。目標としては、現実的なものを掲げる必要があります。そうすれば長きにわたりモチベーションを維持できます。とはいえ、みなさん知ってのごとく、仮にタイトルに届く場所、もしくはタイトルが見える場所にわたしが来ることになれば、両手でそれを掴みにかかるでしょう。

Crash.net:
 今シーズンのある時期においてはドゥカティ勢のトップに立っていました。それには驚きましたか?

Hector Barbera:
 前のクラスでの戦績や、己の能力、どれほど真摯に課題に取り組んできたのか、こういったことに対する自負がありますから、驚くようなことではありません。しかし、今シーズンに関しては、レギュレーションの変更と新たなタイヤの導入という大きな要因が作用しました。ウィンター・テストの時点ですでにその兆候はありました。わたしのタイムが次第に上位勢に接近していったのです。ですから、自信をもってシーズン開幕を迎えることができました。

 シーズンがスタートした時にはすでにこれが確信に変わり、これにより更に自信が深まりました。そのおかげで、更に競争力を発揮できるようになりました。良い出来事をきっかけに、好循環が生まれたのです。すべては解釈次第です。もし前を見据えることができれば、志気が高まり、トレーシングに対する意欲もわいてきます。わたしたちは今、ういう状態にあります。レースが待ち遠しいです。

 カルのホンダとTech 3ヤマハを見れば、この二台のみがひとつ前フル・ファクトリー・バイクで、わたしたちのそれが二、三世代前のものであると言えるでしょう。ですから、わたしがどのくらい奮闘しているのかを示すことができたらと思っています

Crash.net:
 今年はこれまでのGPキャリアでも指折りのエキサイティングなシーズンであるとお考えですか?

Hector Barbera:
 そう言えるでしょう。物事が軌道に乗ったのはこれが初めてです。新たなレギュレーションがわたしに有利に働きました。上位に接近すれば、その年はエキサイティングなものになるものです。

Crash.net:
 これまでずっとDucati 14.2で成果を上げていらっしゃいました。これにより自身の評価が上がったとお考えですか?

Hector Barbera:
 このパドックには識者が集まっています。このバイクのことを理解している人々は、わたしのやっていることや、成果を正当に評価してくれています。

 わたしにとって少し残念なのは、このスポーツを自宅で楽しんでいる人には、わたしがドゥカティに乗っているという点しか認識されていないことです。彼らは141516が混走していることを知らないので、わたしの比較対象にされるのは16に乗るファクトリー・ライダーたちなのです。

 実際、それが14.2であるかどうかにかかわらず、わたしが過去に乗ってきたバイクと比較すれば今のバイクは信じられないものです。わたしたちはすでに2年に渡ってレーシングをしていますし、その分のデータも持っています。これがセットアップに大いに役立っています。ここに来て、バイクが良い具合にまとまってきました。

 ドゥカティが、このバイクにおいて改善を希望する点はどこにあるのかと尋ねてきた際、わたしは常にパワーが欲しいと返答してきました。この点に関して、わたしたちのバイクは僅かながら、しかし確実にファクトリー・バイクに劣っています。バイクをスピードに乗せるのはわたしの得意分野ですが、それでもなお、ファクトリー16は常に10 km/hほどわたしたちを上回っています。現時点でのわたしたちの主な弱点は、シケインなどにおいて素早く向きを変えることです。素早く舵を切るのに難儀しています。

Crash.net:
 ドゥカティのサテライト・チーム向けソフトウェア開発の方針があなたがたの助けになっているとお見受けします。

Hector Barbera:
 確実に。昨年の広範なテストのおかげで、わたしたちすべてのユーザーが順調なスタートを切ったと思います。またわたしたちはテスティング・チームにおいてかなりの作業をこなしましたから、それがわたしたちを昨年の状態から押し上げたのだと思います。その一方で、ファクトリー・チームの進化はそれほどでもなかった。そのために差が縮まったのでしょう。

 とはいえ、わたしにとって最も重要なのはわたしたち全員が同じエレクトロニクスを使っているということです。そのおかげでレーシングがフェアになりました。

Crash.net:
 チームにはドゥカティの職員が駐在しているのですか?

Hector Barbera:
 エレクトロニクス・エンジニアが2名おり、それぞれのライダーを担当しています。それから、ドゥカティとの連携のためにコーディネーティング・エンジニア1名が働いています。

Crash.net:
 思ったのですが、ドゥカティを運用する他のチームのデータというのは有用ではないのでしょうか?皆それぞれ別のバイクを使っていますが。

Hector Barbera:
 そのとおりで、わたしたちはかなり独立した状況にあり、GP1516のデータは役に立ちません。わたしたちはドゥカティからのフルサポートを受けながら、独自路線を進んでいるのです。とはいえ、方針やアイデアを出しているのはわたしたちです。

 与えられたリソースこれだけの成果を上げているというのは誇るべきことで、ひいき目抜きに、チームはよくやっていると言えます。チームの働きに感謝しています。

Crash.net:
 来年のことについて教えてください。

Hector Barbera:
 まず言えるのは、このチームに留まるということです。

 エンジニアにエレクトロニクス担当者、サスペンション・エンジニア、そしてクルー・チーフ、引き続き同じ面子で臨みます。順調に事が運んでいる状態ですから。大きな変化はバイクになるでしょう。そしてこれが、楽しみにしている点でもあります。

 バイクはGP16を手にする見込みで、バレンシアでの最終戦の後に、イアンノーネあるいはドヴィチオーゾのバイクのいずれか一つを受け取ることになっています。

 思うに、これはドゥカティがわたしたちの成果を評価してくれているあかしなのでしょう。最近まで、わたしはドゥカティ勢のトップにいました。より競争力のあるバージョンを相手にレーシングをしてきたにもかかわらず。わたしは常にわたしたちのバイクを気に入っていましたし、これに不平を言ったこともありません。ですが、16を手にすることを楽しみにしています。

 ドゥカティにおいては情報の交換に対する制限は一切ありあません。ですから、16に乗るのを楽しみしにしています。その際には他のライダーが蓄積したデータも活用できるわけです。

Crash.net:
 つまり、同じライダーが同じチームに残り、より良いバイクと取りよいデータを手にするというわけですね。となれば、わたしたちが期待できる結果は?

Hector Barbera:
 いいかげんな約束などできませんよ。今はまだシーズンの半ばなのですから、今シーズンの残りのレースに集中するのみです。とはいえトラックであのバイクを見ていて感じるのは、先に述べた夢を叶えるのに役立つ可能性があるということです。

Crash.net:
 オーストリアでの失格についてはどのようにお考えで?

Hector Barbera:
 指示を無視しようとしていたわけではありません。ピット・ボードを見るのが大変難しい状況にあったのです。わたしのピット・ボードもレース・ディレクションのそれも黄色の文字を使用しており、短い時間にそれを認識するのが難しかったのです。オーストリアにおいてメイン・ストレートに差し掛かった際、ライダーの注意はレッド・ラインに触れないことに注がれます。いずれにせよ、それにより事態が厄介になっていたのです。

 後になってダッシュボードを確認したところ、機能していました。しかし、レース中、ストレスに晒された状況においてわたしはそれを見ていませんでした。これは、今後もっと明確にしていかなければならないことかもしれません。

Crash.net:
 最後に、スペイン北東部の小さなエリアから、あなたを含むトップ・ライダーたちが続々と輩出されています。このエリアの出身者がバイク・レーシングで活躍することの要因は?

Hector Barbera:
 ええ。わたしはバレンシアの出身で、バルセロナの出身ではありませんが、地理的にはかなり近いです。ニュー・カマーは歴史と伝統から生まれると思うのです。わたしたちには素晴らしい先輩方がいて、それに触発されて次世代が生まれるのでしょう。今はモーターサイクルの推進運動が盛んで、それが更にドラマに拍車をかけている。成功が成功を引き寄せるのです。

 とはいえ、バレンシア出身のライダーとしてモーターサイクル・レーシングでの成功を目指すのなら、もっとパエリアを食べることをお勧めします!

Crash.net:
 ありがとうございます。レースでの活躍を期待しております。

Hector Barbera:
 いえいえ。

Source: crash.net



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