ストーナー曰く、現行のエレクトロニクスがMotoGPから「技巧」を奪ってしまった。

 motorsport.comより。ストーナーのインタビューです。


 二度のMotoGP世界チャンピオンであるケーシー・ストーナーは、このスポーツにおいて運用されている現在の水準のエレクトロニック・エイドにより、ライダーがその「技巧」を駆使する必要性が失われたと考えている。

 2016年は、MotoGPにおけるスタンダード・エレクトロニクス・パッケージ元年に当たる。これはマニェッティ・マレリによって製造され、その導入に伴って二段システムは終わりを迎えた。つまり、2012年から2015年にかけて存在した「ファクトリー」と「オープン」クラスという区分が撤廃されたのだ。

 これはコスト削減を意図して導入されたもので、マニュファクチャラーが自前でソフトウェアを開発するのを防ぐという発想に基づいたものである。それと同時に、ワークスと独立チームとの格差を埋めるという狙いもある。

 しかしストーナー曰く、今シーズンに導入された現行のパッケージであっても、その助けによりライダーはコーナーの脱出においてトラクションを得ており、それはレーシングに悪影響を及ぼすのに十分であるという。

 彼が強調したのは、ラップ・タイムの接近という2016シーズンの予選セッションにおける共通点は、エレクトロニック・エイドの効果が端的に表れたものであるということだ。

 「エレクトロニクス、それが予選におけるMotoGPのラップ・タイムが拮抗するようになった理由です。みなさんこう思われたことでしょう。ワォ!こんなに多くのライダーが速いタイムを出せるなんて。」ストーナーはAustralian Motor Cycle Newsの記事の中でこのように語った。

 「しかし予選においてすべてのライダーが行うことは、レイト・ブレーキングにバイクの向きを変えること、そしてこれを止めることです。あとのことは電制に委ねるのです。それ以上の技巧を発揮する機会はありません。」

 「レースにおいては、すべてのラップでブレーキを遅らせ、理想的な走りをすることは不可能ですから、この場合にはギャップはどんどん広がってゆきます。」

 「このエレクトロニクスの恩恵を最も受けているのは、他のライダー並にリヤをコントロールすることができないライダーたちです。2006年か2007年のことを振り返ってみると、あるライダーの技巧が他より優れていたら、そのライダーはコーナーの出口でバイクを起こし、ストレートの中ほどで他の者たちを交わしにかかっていました。」

 「あるいは、他のライダーがスリップとスライドをしてコーナー出口で乱れることもあったでしょう。そんなとき、その後ろについて上手くやれば、次のコーナーに差し掛かる前に相手を交わせました。」

似たり寄ったりのライディング・スタイル

 ストーナーはこうも語っている。「ライダーの電制依存が大きくなり、それに伴ってライディング・スタイルも収束に向かっていると。いま推奨されているのはスピードを出すためにしっかりレイト・ブレーキングを行うことで、他のスタイルが淘汰されているというのだ。

 「異なったライダーたちがそれぞれのバイクに対し多様なセッティングを施してきました。」このオーストラリア人は説明した。

 「ダニ(ペドロサ)の様なタイプは、コーナーの中ほどから出口にかけての挙動を重視したセット・アップを好んでいました。コーナーへの進入が今一つであっても、後半で帳消しにできていたのです。それが全体として上手く機能して、ストレートでは前を行くライダーに並びかけていました。」

 「かつてはそれぞれのライダーがそれぞれのスタイルを見せていたのです。今は一つの特定のスタイルへ収束する傾向にあります。」

 「誰も出口において差をつけることができなくなっているのです。訊けば、彼ら全員がターンの同じ場所でスロットルを開けていると答えるでしょう。つまり、ブレーキングで差をつけるしかないのです。」

 「ブレーキングを最も遅らせる者、それはつまり最も大きなリスクを取ることを厭わない者でもあるのです。」




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